持ち物が増えていく。モモと住み始めて、殺風景だったはずの部屋に、捨てられないものが思い出と共に増えていく。
一つしかないベッドに、一緒に寝泊まりまでしているのにモモはまだ僕に気を遣う。器用なことにベッドから落ちないぎりぎり端っこで、それでも毎晩側にいてくれる。
不器用な僕は自分の素直な気持ちを伝えることが出来ない。かわりにモモは、僕の唐突な気まぐれを喜んだ。例えばオフの日には、せっかくネイルオフした爪に、互いの色を塗り合う遊びをした。モモの手はいつだってあたたかくて、僕を安心させた。自分の手よりは丸みを帯びている、一回り小さな手。
照れるね、と頬を染めて恥じらうモモの、そんな顔ばかり見ていたいんだ。
可愛い可愛い僕のモモ。どこにも行かないでね。


# 「 僕 の モ モ 」