好きだ、好きです、なんて、馬鹿か俺は、と笹塚は心の中で舌打ちした。何か、勘違いしているに違いないんだ、そんなはずがないんだ、もう誰も愛すことができないこの両腕で、俺はあの子に何をしてやれるって言うんだ?愛されている自覚なんて毛頭ない。期待なんてしちゃいないさ、するはずがない、うそだ、本当はしているくせに、もしかしたら、なんて甘ったれた幻想を俺は一体いつまで抱き続けて?そんなものとうに捨てたはずだった、なのに、なのにどうして。するりと滑り落ちてしまった。なあ、ガラスを床に落としてしまったときのような気持ちなんだ、 きこえてる? |