ああ、今日も生きたのか、という不思議な実感だけがある。あれが何年前で、これが何年前。刻まれる些細な数字に対して、懐かしさを感じるべきなのか、そうでないのか。自分にとってこの世界は、全てが嘘で、虚構で、作られた現実で、全てが真実だった。
地に落ちたやわらかな一枚の羽根、血溜まりの中に落ちた秩序、失われた親友の肉体に宿る決別の呪い。
いつしか僕も歳を取り、延いては教え子なんてものがいたりする。春の緑のやわらかな新芽のような、純粋すぎる感受性。彼らと同じ歳の頃、もっと外道で悪いことばかりしていたから、まぶしくって、それはもう眩しくて、このまま瞬きをやめそうになる。
心根の優しすぎる彼らを犠牲にしてまで、この世界を回さなければならない?
僕の透き通る目には、この世の全てが映る。きれいなものも、醜いものも、流れゆく過去に並行する現在という未来も、全てが一度に見渡せるんだ。
今の君たちには何が見える? 僕にはね。


呪いそのもの